鎌倉殿の13人 34話 見逃し配信！再放送と感想 Tverなし！

このドラマは歴史的な出来事を味わうことよりも、月日が経つにつれて変わっていく主な登場人物の表情を楽しむドラマになっています。日本三大討ち入りの一つとして派手に描くこともできだだろうに、事件の裏で「起こっていたかもしれない出来事」の展開に目が離せなくなっています。今週初めて登場した成長した万寿と金剛の対照的な表情が二人が歩んでいく人生を暗示しているようで寒気がしました。義時は先週まで孤児たちと息子の世話にあたふたしていた健気なシングルファーザーの顔は無く、薄暗い光を目に宿した切れ者になっていたのが印象的でした。曽我五郎に対する義時の冷静過ぎるほどの冷たさを見て、父時政が「良くも悪くも変わったな」とでも言いたげな表情が父として誇らしさと恐ろしいものを見るやり切れなさの両方を感じました。あんな短い間に二面性を表現するなんて、役者さんは凄いと改めて実感しましたね。政子のいい女っぷりと蒲殿こと範頼の優しい笑顔がこのドラマの癒しだったのに来週はつらい週にないそうだけど、絶対見るぞと思っている。決して見た後の余韻がさわやかではないけれど、絶対見るぞと思っている時点で、もう視聴者の負けですね。ラストは後白河法皇に指摘されていた業の深さが頼朝の目に表れていて、引き付けられた。生き別れた兄弟たちを信じることが出来ず、自ら孤独になってしまう。ある意味哀れな人ですね。義経の件であんなに泣いていたのに、その涙も乾かぬうちに…。一度背負った業は決してきえないのでしょう。そんな頼朝をとなりで見ていた義時もやがては心をブラックホールにもっていかれるのかな。頼朝がこのドラマでどのような死に方をするのか気になります。来週は大姫と範頼が最後の登場になるのでしょうか。心の準備をしながら楽しまなくてはいけませんね。色々文句を言いたくなるけれど、コミカルな部分も恐ろしい部分も含めて、やっぱりこのドラマはおもしろいですよ

夜な夜な比奈に会いに行ったことによって結果的に暗殺から逃れることのできた頼朝の運のよさがすごいなと思いました。ですが結果的に隠れて女性に会いにいくためだけに頼朝と入れ替わっていただけの家臣が殺されてしまったのは、理由が理由なだけに圧倒的に理不尽で可哀想で不憫な死に方だなと思ってしまいました。

義時にとって八重の存在は大きいものです。それでも比奈はあきらめません。振り向いてくれなくてもついて行くというのですから誠に健気です。義時に対するリスペクトが
知らぬ間に醸成されていたのでしょうか。それにしても、頼朝は比奈のもとに行ったおかげで助かるのですから、まだ運にめぐまれているのでしょう。それでももう運はこれでおしまいと言うところ、頼朝は自分の行く末を知っているような気がします。

全話までは子どもだった万寿と金剛が急に青年になっていて驚きましたが、頼朝の時代から次の世代へと物語のステージが移っていくのかなとわくわくもしました。とは言っても頼朝は相変わらず女好きで、女性に会いに行っていたおかげで命拾いをするという前にもあったパターン。一方、義時は北条家を守るために策を掛けるなど、徐々に黒い部分も表れだし、これから北条家が鎌倉を手中に収めていく物語がはじまったようにも感じました。今までは源氏と平家の戦いが中心でしたが、ようやく北条が天下を取るまでの物語にシフトチェンジしてきたように思いました。

前回まで小さかったはずの万寿や金剛がとても大きく成長していたことに驚きました。作中のテロップにも著しく成長した人と書かれており、著しく成長しすぎでは、とツッコミを入れながら観てしまいました。しかし、成長したのは外側だけでなく、中身も大きく成長したようで、金剛は巻狩りで小鹿や鳥を射り、弓の名手に成れそうな勢いで成長していました。一方、万寿は巻狩りでは周囲の整えた場での狩りとなり、腕前はイマイチでしたが、非常時の判断力はさすが鎌倉殿の継嗣というような指示を飛ばし、義時にもお見事と言われるほどに成長しており、今後、2人がどんな頼もしさを見せてくれるのかが楽しみです。

小四郎はは時連が見せた紙を見て梶原殿と和田殿の宿所は離したほうがいいこの二人はあまり仲が良くないと把握していたり流石は兄上気配りが尋常では無いですねと褒められていて凄いなと思いました。小四郎が五郎にちょっと二人になりたいのだと言ったら五郎は勘違いして父上にそっと話しかけて部屋から出ていって貰おうとしていて面白かったです。

この話の自分的な見所は、曽我五郎の裁きを下した後の何とも言えなくなっている北条時政の顔でした。
息子の義時が謀略を振るって北条の危機を退けたことに対してあっけにとられたような、恐ろしくも感じているようなそんな顔でした。
それはどんどんダークサイドに進んでいく義時に、後にとあることで同じように丸め込まれて追い落とされていく○○（あえて伏字にしています）の行く末を感じさせるシーンでした。
今回も面白かったな。